☆プリント基板の作成☆
ア−トワ−クはすでに行っている原図フィルムを使って作業を進める。薬品を使用するので、その取扱いについては説明をよく読んで扱うこと。化学変化は温度などの影響を強く受けるので、指定温度、時間をよく守ること。また、工具の使用にあたっては、ていねいに扱い、怪我をしないように注意する。事前の準備、事後の後始末をきちんとすることは常識であり、立派な技術者になるための基本姿勢である
工程1 レジスト皮膜の形成
1、資材の用意
原図フィルム、感光基板、焼き枠く、露光装置、現像液、パレット、温度計、時計、ティッシュペ−パ−、乾燥器、ドライヤー、ビ−カ−、油性サインペン、千枚通し、ハケ
注意、焼き枠く、原図フィルムは、ぬれた手、よごれた手で持たないこと。
2、フィルムと基板のセット
できるだけ暗い所で焼き枠くを開き、感光基板を袋から取りだす。感光前の基板
感光面(紫色)を上に向けてのせ、その上に原図フィルムの表を上にして位置を合わせずれのないように焼き枠くのガラスで押さえてロックする。ロックしたら露光まで光があたらないように焼き枠くを裏向にしておく。
注意、原図フィルムの表裏をまちがえないようにする。
現像液をビ−カ−に入れ電熱器で40-45度にあたため現像の準備にかかっておく。
3、露光
露光装置の上に焼き枠くのガラス面を下向きにのせ、露光装置の電源を入れて露光する。露光時間は感光基板の製造年月日によって異なるので、その時の条件によるが、通常はタイマ−がセットしてある。(6−10分)露光直後の基板
注意、露光装置や焼き枠くにキズをつけると、それが焼きつけられるのでキズをつけないように注意する。
4、現像
できるだけ暗い所で、40-45度にあたためておいた現像液をパレットに入れ、露光を終わった感光基板を現像液に感光面を上にして、すべらすように入れて液に浸す。パレットを揺すって液を動かしながら現像する。回路パタ−ン以外の所が完全に溶解したら現像をうちきって次の水洗いにうつる。現像が十分でなく薄く皮膜が残っている場合は、現像の途中か水洗いの時にハケで軽くなでるとよい。
注意、現像時間は3分までにする。長すぎるとパタ−ン部分まで溶けてしまうし、短いとエッチングができなくなる。現像時間は液の疲労度によって異なる。
現像液はアルカリ性の液であり、手に付着してもさしつかえないが、目や口に入ったり衣服につかないようにする。もし付着したときは水でよく洗い流すこと。感光膜は現像液で軟らかくキズがつきやすいので注意する。現像直後の基板
5、水洗い、乾燥
現像の終わった基板はすみやかに水洗いし、現像の進行を停止させる。水洗いが終わったら、直射日光にあててもよい。水洗いが終わった基板は水滴をかるく落として乾燥させる。急ぐときにはドライヤーを用いて乾燥させてもよいが、熱を加えすぎないようにしなければならない。
6、検査、修正
できあがった基板を原図フィルムと比較しながら目視する。現像がむらになり、不用なレジスト皮膜が残っている場合は、千枚通しの先を使ってけずり取る。また、レジスト皮膜にキズがあったり、現像が過度になってレジスト皮膜が薄くなっているところがある場合は、油性サインペン等で重ねぬりして修正する。
注意、点検は綿密に細心の注意をはらって行うこと。基板の銅箔面には指紋や油分をつけると、エッチングが不完全になる。